2018/04/17
雨に唄えば(1952) ジーン・ケーリー
今回ご紹介する曲は1952年のミュージカル映画の主題歌として有名な「雨に唄えば Singin’ in the Rain」。雨の中で「恋をすれば雨に濡れるのもまた愉快!」と、主演のジーン・ケリーが歌い踊るシーンは、本当に素敵すぎます。コメディミュージカル映画の中では、マスターの一番のお気に入りです。この映画があまりに有名なので、Singin’ in the Rainはこのミュージカルの為に書き下ろされた歌だと思われますが(マスターも以前はそう思っていました)、実は映画が制作される20年以上前に流行したアメリカのポピュラーソングだったのです。他にも映画で使われた歌のほとんどは、過去のヒット曲の寄せ集めでした。ミュージカルでは一般的な手法で、時代は違いますが僕の好きな2001年のミュージカル映画「ムーラン・ルージュ」なども有名な楽曲(エルトン・ジョンやマドンナ等)を集めアレンジして使っています。耳に馴染みのある曲を使用することで、ストーリーへの導入をしやすくなる効果もあるのでしょうね。
映画「雨に唄えば」で名演したケリーは、メトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)というハリウッドの大きなメジャースタジオに所属する俳優・ダンサーで、同じくMGM所属のフレッド・アステアと人気を二分する看板役者でした。子役として発掘されたジュディ・ガーランドなども、このMGMからデビューしています。Singin’ in the Rainが制作されたのは、まさにこのスタジオが全盛期の頃でした。
ケリーは物凄くダンスが上手いです。芸術品のように華麗で洗練されたステップを得意とするアステアとはひとあじ違い、ケリーのダンスは観ている方も一緒に踊りたくなるような「歓喜に満ちた力強く躍動感あふれるダンス」と云われています。ダンスシーンを堪能するのであれば同じくケリー主演で前年に公開されたミュージカル映画『巴里のアメリカ人』がオススメですが、全体のテンポ感やコミカル感、グッとくる感じや観た後の爽快感などをトータルすると、僕は「雨に唄えば」を一押しします。バレエやジャズ・ダンスをバックグラウンドとしながらも特定のスタイルに縛られない自由なダンスを取り入れていたケリー。主演映画も多く、色褪せない数々の作品の中で、今でも圧巻のダンスシーンを楽しむことが出来ます。元気が出ますよ!
『雨に唄えば』
雨の中で歌っている僕 びしょぬれで歌っている
なんて素晴らしい気分なんだ
幸せ一杯で 雲に笑いかけて
空は真っ暗だけど 僕の心には太陽が照っている
いつでも恋はOKだよ
嵐のような雲に みんなを追い払わせて
さあ 笑顔で雨を受け止めて 僕は歩いてゆく
幸せを思い返しながら 歌っている
雨の中で歌っている
雨の中で踊っている 幸せだ
どうして笑っているんだろう? どうして歌っているんだろう?
九月だというのに どうして心は春のようなんだ?
どうして毎朝目覚めると幸せを感じて 喜びにあふれて
どうして新しい仕事もわけなく出来るんだろう?
だって 君のことをいっぱい思って 生きているから
*
NO MUSIC, NO LIFE.
美味しいコーヒーと一緒に、音楽を楽しみましょう